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古傳薬膳茶論
統合医療のスペシャリスト 医学博士・川嶋朗先生の「東洋医学」コラム

第7回あなたは、水分の代謝が良くない「水滞」(すいたい)かも?

■ 東洋医学で知るあなたの身体のタイプ

東洋医学には「気血水」(き・けつ・すい)という言葉があり、それが、人体を構成する3つの「基本的な要素」であるというお話しを前回させていただきました。

して、「気」は生命活動の根幹をなすエネルギー源、「血」は血液。「水」は「血」以外の体液(水分)です。汗や唾液、涙などの分泌液、胃液などの消化液、尿などの排泄液などです。

人間はこの「気血水」が常に身体の中を巡ることで、心と身体の健康が維持されています。反対に「気血水」の巡りやバランスが崩れると、体調が悪くなってしまうわけです。
今回は「水滞」についてご説明します。「水滞」は文字通り、文字通り「水」が滞っていること。つまり、身体の「水」の巡りが悪くなっている状態です。

簡単な診断テストもつけておきますので、ご自分が「水滞」に当てはまるかどうか調べてみてくださいね。

■「水滞」(すいたい)とは?

「水滞」(すいたい)とは?
「水滞」(すいたい)とは?

「水」は血液以外の身体の水分のこと。汗や唾液、涙などの分泌液、胃液などの消化液、尿などの排泄液などあらゆる水分です。

これらの「水」は、全身を巡り身体中に潤いを与える他、身体に溜まった老廃物を汗や尿などとして体外に排出してくれます。

この「水」の巡りが悪くなっている状態が「水滞」です。

「水」の循環が滞ると、本来排出されるべき水分など、必要以上のものが身体に溜まってしまいます。

そのため、俗に言う「水太り」の方が多く、むくみが起こったり、身体が重くなり、だるさを感じたりします。

また、身体に不必要な老廃物が身体に残り、それが頭の方にあると、頭が重く感じ、めまい、ふらつきや頭痛の症状が出ることもあります。

また、身体の水分が多いことから、冷えやすくなるのも特長です。

東洋医学の世界では「水毒」と呼ばれることもある、この「水滞」。まさに、水の巡りが悪いことで不要物が排出されにくくなり、「毒」が体内に残ってしまうイメージですね。
ぜひ、改善しましょう。

■あなたが「水滞」の状態かどうか診断してみましょう。

こちらの表にある、身体の状態をご自分で振り返り、「当てはまる」「少し当てはまる」と思う場合は、それぞれの点数を足していってください。もちろん当てはまらない場合は足さなくて大丈夫です。「水滞」の診断は男性・女性とも同じ点数となります。

さあ、さっそくやってみましょう。

あなたが「水滞」の状態かどうか診断してみましょう。
あなたが「水滞」の状態かどうか診断してみましょう。

いかがでしたか? 何点になりましたか? もし、合計点数が「13点」を超えていたら、あなたは「水滞」の状態と言えます。

■水滞の状態を改善するには?

「水滞」の改善には、身体の水分量を調節する必要があります。

様々な飲料を摂ったり、食事をしたりすることで身体には水分が溜まります。そして、排尿や排便、発汗で水分が身体から排出されるというのは、イメージできると思います。

この水分のインプット・アウトプットのバランスが崩れ、インプットが多くなりすぎるか、アウトプットが少なすぎると「水滞」になります。

特に夏場は多くの水分を摂りがち。もちろん、水分を摂ることは熱中症を防ぐためにも大切ですが、必要な水分というのは、その人の活動環境や、運動量、筋肉や代謝の量にもよって違います。自分に合った水分量を摂るようにしてください。一度に多くを飲むのではなく、少量を小まめに飲むことをオススメします。

水滞の状態を改善するには?
水滞の状態を改善するには?

発汗と筋力アップ、さらには身体も冷え解消のためにも適度な運動を習慣づけるようにしてください。ゆっくりとお風呂に入る時間をつくるもの大切です。

また、排泄を適切に行なうためには、胃・腸・腎臓・膀胱などの内蔵が正しく働くことが必要です。そのためにも適度な運動はもちろん、バランスのよい食事や、適切な睡眠を心がけ、きるだけ、規則正しい生活をするようにしてくださいね。

■水滞を改善する食べ物って?

水滞を改善する食べ物って?
水滞を改善する食べ物って?

まず、心がけないといけないのは水分の摂りすぎです。普段の食事で塩分の強いものを食べると喉が渇き、水分を多く摂るようになってしまいます。味の濃い調味料は少なめに使うようにしてくださいね。

また、食事のメニューでは、油分の多いものも身体に水分を溜めると言われています。できるだけ控えましょう。

そして、睡眠中は身体が水分に蓄えようとするため、寝る前には多くの水分を摂らないようにしましょう。ですから、夜のビールなども控え目にするようにしてください。

反対に、水の巡りや排出を促す食べ物というのがあります。豆類や海藻類がオススメです。キュウリやとうがんなどの瓜類も水の巡りをサポートする働きがあると言われていますが、身体を冷やしがちですので、温かいスープにするなど、工夫して摂るようにしてくださいね。

味の濃いものを控え目に、無駄な水分を減らし、身体を温めるようにすること。そして、利尿作用など水分を排出する食べ物を摂るようにして、ぜひ、「水滞」の改善に努めてくださいね。

余分な水分を除いてくれる食べ物はと麦、とうもろこし、とうがん、小豆、枝豆
身体の循環をよくする食べ物大根、梅、りんご、海藻類
身体を活性化させる食べ物香辛料

■「水滞」の状態を改善するには、こんな漢方茶がオススメです。

「水滞」の状態を改善するに、身体を温めることができる「漢方茶」が最適です。

温かい漢方茶にすることで、自然と少しずつ飲むことになりますので、身体に必要な水分を適度に摂ることができますし、身体の冷えも改善できます。

特にオススメなのが、優れた利尿作用により身体の余分な水分を排泄して、むくみの解消が期待できる「はと麦」。

カリウムが含まれ、身体のナトリウムを排出し、水分の代謝の活性化につながる「スギナ」や、利尿作用がある「ダンデリオンルート」「チコリルート」「小豆」「どくだみ」「はぶ茶」などが配合されているものがオススメです。

温かいこれらの漢方茶を飲んで、身体を温め、適度な水分を摂るようにしてください。そして利尿作用のある成分が含まれる漢方茶で排出を促し、「水滞」をすっきり解消しましょう。

日頃の習慣に漢方茶を採り入れ、ぜひ、もっと健康になっていただきたいと思います。

「水滞」の状態を改善するには、こんな漢方茶がオススメです。
「水滞」の状態を改善するには、こんな漢方茶がオススメです。

川嶋朗先生

川嶋朗先生

東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科教授
広島大学医学部客員教授
一般財団法人東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当

一財東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当。
自然治癒力を重視し、近代西洋医学と補完・代替医療を統合した医療の実践を日本の医科大学で初めて立ち上げ、現在も日本の医療系の大学の教育・臨床・研究の現場に立っている。
「よりよく生きる」「悔いのない、満足のいく人生を送る」ための心得として、「自分の理想的な死とは何か」を考えるQOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)の提唱者。

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